ワタシも気がつけば半世紀生きてきたというね、自分でもなんだか受け入れがたい事実があるわけですよ。
10代、20代なんて徹夜したって平気だったし、体で痛むとこなんてなかったよーな気がするなぁ。
それがですよ、今では毎日首や肩が痛かったり、腰痛がひどかったり…痛みのない日なんてない気がするぐらいだからなぁ。
みなさんはどうですか?
それで私は結構な頻度で市販の鎮痛剤を服用していました。
多分そのせいではないかと思われるんだけど、毎朝のようにお腹の調子も悪いという始末…。
この痛みがなかったらどんなにシアワセな毎日か、いやなくならなくてもやわらいでくれたらなぁと。
そんな時に書店で出会ったのがこの本、 「気力をうばう『体の痛み』がスーッと消える本」(富永喜代著、アスコム)です。
医師で著者の富永喜代さんは、富永ペインクリニック(愛媛県松山市)の院長。
中居正広の金曜日のスマたちへに出演。
「たった1分で肩こり解消!驚きのストレッチ術を大公開」にて「こりトレ」を紹介したりなど、メディアでも多数取り上げられている方なんですね。
その著者が、私たちを苦しめるあらゆる痛みの症状を消したり和らげたりするための43の極意を著したのが本書です。
その中で今回は、私がいつも市販の痛み止めを常用している関係から「第2章 『痛み』を消す『クスリ』とのつき合い方」の一部分から ご紹介したいと思います。
痛いなら「痛み止め」をやめなさい
いきなりタイトルからもう衝撃です。 痛いから飲んでいるのに、それがダメだということです。
なぜか?
実は、痛み止めのほとんどが「NSAIDs(エヌセイズ)」と呼ばれる非ステロイド性抗炎症剤だと著者は言います。
みなさんよくご存知で、多分一度はお世話になったんではないでしょうか。「ロキソニン」や「ボルタレン」、「インダシン」「ポンタール」「バファリンA」「イブ」「ナロンエース」などはエヌセイズの一種。 世界一売れている薬らしいのですが、富永さんは、こう言います。
私たち痛みの専門医の間では、神経痛や慢性痛にエヌサイズが効かないことは常識です。
実は、このエヌサイズが効果を発揮するのは「痛みが発症した直後からの急性期で、患部に炎症がある間」。
つまり、急に腰に痛みを感じたり、傷が腫れたりして痛い間は効果があるが、慢性的な痛みには「エヌサイズを使う意味はない」のだそうです。
知らなかった…そーなのか…。
副作用で腎臓や胃がやられる!!
さらに、長期に連用すると、胃腸障害や腎障害などの被害が広がってしまうとのこと…。実際、「薬物による腎障害の原因のトップは、痛み止め」なんだそうです。
その他にも、胃炎、十二指腸潰瘍、下痢、嘔吐とさまざまな副作用があるとのこと。私の下痢やムカムカ感も、きっと市販薬の常用のせいだったんだろうなぁ。
飲み続けることで慢性型の薬物乱用頭痛に発展
そして何より恐ろしいのが、頭痛を治したくて痛み止めの市販薬を飲み続けることで慢性型の薬物乱用頭痛に発展してしまうケースが増えているということだと言います。
市販のエヌサイズ系統の薬のほとんどには、神経を高ぶらせる成分が入っていて、長期連用しているとこの成分が体の外に抜けきらず、痛みに対して敏感になってしまうのだそう。
逆に頭痛を感じる回数がますます増えていく、薬を飲み続けることで体には耐性ができあがり、痛み止めとしての効き目はどんどん弱くなり、痛くなってから飲んでも効かないから頭痛が起こる前にあらかじめ頭痛薬を服薬するようになり、毎日頭が痛い状態に……
いや、これってまさに今の自分のことではないか…。
いやはや参りました…。
1か月に10日以上の服薬を、3か月以上続けると、毎朝、頭が痛い状態に陥ります。これが「薬物乱用頭痛」。明け方から朝に痛むのが特徴です。
明け方から朝に痛むという決まったサイクルはないけど、3ヶ月どころじゃないぐらい連用していました…。ヤバいですな。
湿布の使いすぎでも腎機能がやられる??
肩こりや痛みをやわらげようと湿布を貼りますよね。
実は…湿布の成分もエヌサイズと変わらないそうなんですよ。なので、「口から薬を飲んだときとなんら変わらない」ということなんですね。
いやはやこれにもびっくりしました。同じように適正量以上を使うと副作用として腎機能障害の可能性が高まるんだとか。
読了して、真剣に市販の鎮痛剤の常用をやめないと大変なことになると思い知りました。
富永さんの本書では、市販薬に頼らず、さまざまな痛みに対処する方法を「43の極意」として紹介しています。
どの方法も具体的でわかりやすい内容。
痛みに苦しめられている方、ぜひご一読をオススメします。