仕事や人生で恥をかかないための文章&文書の超基本ー「生涯使える大人の文章力スピード学習帳」(杉本祐子著・主婦の友社)

社会人になると、ビジネスでも生活する上でも、文書・メールなど、さまざまな文章を書かなければいけません。

こうした文章をいざ書こうとすると、書き始めをどうしたらいいか、言葉づかいはどうしたらよいのか、表現は…
などと迷ってしまうことがよくあります。

また、書いて見返してみると、だらだらと長くなってしまったり、結局何を伝えたかったのかがわからなくなってしまっていたり…。
どうしたらいいのか途方に暮れてしまうこともよくあります。

本書は、そんな方に向けた1冊。
人生や仕事で恥をかかないための文章や文書の超基本を紹介したものです。

仕事や人生で恥をかかないための文章&文書の超基本ー「生涯使える大人の文章力スピード学習帳」(杉本祐子著・主婦の友社)

本書は4つのパートに分かれています。

本書の4つの特徴

1.文章力をつける

・相手にわかりやすく書くコツを、文例を使ってわかりやすく紹介しています。

 

2.文書力をつける
・ビジネス文書の基本を、ごく初歩的なことからやさしく解説しています。

 

3.メールの表現力をつける
・メールの書き方や効率的な作業方法を紹介しています。

 

4.敬語力をつける

・敬語力を高めるための具体的な使い方を紹介しています。

各パートの最後には練習問題が付いていますので、
あなたの実力が判定できるようになっていますよ!

今回は、「パート1.文章力をつける」からいくつかご紹介します。
あなたはちゃんとできていますか?

わかりやすく書く3つのテクニック

文を短くすることが、文章をわかりやすくする最大のコツ。
自分が書いた一つの文章が60文字を超えていたら、それを短くするために3つの方法で調整しましょう。

読点「、」でつづけたところを思い切って句点「。」にする

<原文>
このたび、念願の東西株式会社から内定の通知をいただけましたのも、ひとえに田中様のお力添えの賜物と、深く感謝しております。

<改良例>
このたび、念願の東西株式会社から内定の通知をいただきました。これもひとえに田中様のお力添えの賜物と、深く感謝しております。

このように、一つの文章内に三つ以上の読点「、」があったら、どれかを句点「。」にして文章を分けると読みやすくなりますね。

「が」「ので」でつづけたとこを思い切って句点「。」にする

<原文>
納品が遅れてまことに申し訳ありませんが、◯月◯日には入荷する予定ですので、恐れ入りますが少々お待ちくださいますようお願いいたします。

<改良例>
納品が遅れてまことに申し訳ありません。◯月◯日には入荷する予定です。恐れ入りますが少々お待ちくださいますようお願いいたします。

納品遅れのお詫び、入荷の予定、お願いという三つの要素を「が」「ので」の接続助詞で繋げています。
文章がまどろっこしいだけでなく、「申し訳ありません」というお詫びの言葉の印象が薄く、言い訳がましくなってしまいます。

お詫びはお詫びとしてはっきりと言い切って句点「。」で区切り、その後に予定を知らせる方が好感を持てますね。

このように、一つの文章の中で、「が」「ので」などの「接続助詞」を複数使わないように調整するとすっきりします。

長い挿入フレーズは別の文章にする

<原文>
この3月に、私は、4年間の学生生活を送り、緑豊かで大好きだった◯◯市から、時間的に不規則な仕事なので職場に近い△△区のワンルームマンションに転居しました。

<改良例>
この3月に、私は、郊外の〇〇市から△△区に転居しました。4年間の学生生活を送った〇〇市は緑豊かで大好きなところでした。しかし、時間的に不規則な仕事なので、職場に近いワンルームマンションにしました。

<原文>の主語は「私は」、述語は「転居しました」ですね。
主語から述語までの間に、土地の説明が長々と挿入されています。
そのため一文が80字近くの長文となってしまい、文章の構造も複雑でわかりにくくなっています。

言いたいことは、「私は◯◯市から都心に転居した」ということなので、まずはそのことをシンプルに書く。
そして、以前の土地と現在の土地の特徴を別の文章にして後から添えると、文章を短くできて内容も頭に入りやすくなります。

主語と述語だけで短文を作り、説明部分は別の文章にして添える、というのも、わかりやすく書くために大切です。

まとめ

この他にも本書には、「わかりやすく書く」ための様々な基本が、豊富な実例で紹介されています。

1つのテーマに対して、1~2ページ単位でまとめられています。
今、自分が必要としているところを開いて、すぐに参考にできますね。

例文もたくさん紹介されているいるので、基本については、この本1冊あればずっと使える良書。
職場のデスクに置いておくと絶対に役に立つ1冊です。